【例文あり】「検討します」への返信メールと切り返し方|“お断り”を“契約”に変える5ステップ

営業の商談で、渾身の提案をした最後に顧客から投げかけられる「ありがとうございます。前向きに 検討します 」という言葉。一見、ポジティブな反応に見えますが、多くの営業担当者がこのフレーズの裏に隠された本当の意味に気づかず、貴重な案件を失注しています。
この記事では、営業シーンにおける最重要局面、「 検討します 」と言われた後の対応について、具体的な切り返しトークから、効果的な返信メールの書き方、さらには顧客の心を根底から動かすマーケティング戦略まで、明日から使えるノウハウを徹底解説します。
「検討します」という言葉を、単なるお断りのサインで終わらせるか、それとも次の商談、そして契約へと繋げる機会と捉えるか。その分かれ道が、ここにあります。

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目次
  1. 1.「検討します」は9割がお断りのサイン!放置が招く致命的な結末
    1. 1-1. なぜ「検討します」と言われたら危険なのか?時間が経つほど熱量は下がる
    2. 1-2. やってはいけないNG対応:「即決の強要」と「あっさり引き下がる」
    3. 1-3. 返信メールを送る前にやるべき「その場での切り返し」とは
  2. 2.【Step1】まずはお礼を伝える!相手の心を開く感謝の言葉
    1. 2-1. がっかり顔はNG!「ありがとうございます」で主導権を握る
    2. 2-2. 提案メールへの返信でも、まずはお礼から始める
  3. 3.【Step2】「検討します」の真意を探る!ボトルネック解消のためのヒアリング
    1. 3-1. なぜヒアリングが重要なのか?本当の断り理由を把握する
    2. 3-2. 顧客が抱える5つの「不」:不信・不要・不適・不満・不安
    3. 3-3.【切り返しトーク例】「差し支えなければ、どのような点を最もご検討されますか?」
  4. 4.【Step3】次のアクションをその場で決める!関係性を途切れさせない技術
    1. 4-1. 「契約」は先延ばしでも、「次の接点」はその場で決める
    2. 4-2.【切り返しトーク例】「では、皆様でご検討いただくための追加資料を、明日メールでお送りしてもよろしいでしょうか?」
    3. 4-3. 次のアクションが決まった後の「お礼兼リマインドメール」の例文
  5. 5.【Step4】“検討期間中”に送る!返信率を上げる追客メールの書き方と例文
    1. 5-1. 目的別のメール文例
    2. 5-2. メール作成で注意すべき3つのポイント
  6. 6.【最終手段】それでも顧客が動かない…隠れたニーズを掘り起こす「B面戦略」とは
    1. 6-1. 提案(A面)が響かないのは、顧客の“本音”に応えられていないから
    2. 6-2. 顧客の本当のニーズ(インサイト)を探る方法
    3. 6-3. 全く新しい切り口(B面)で再提案する5つの“ずらし”テクニック
    4. 6-4.【B面戦略】再提案メールの例文
  7. 7. まとめ:「検討します」は、顧客をより深く理解するチャンスである

【例文付き】「検討します」への返信メールと切り返し方|“お断り”を“契約”に変える5ステップ

1.「検討します」は9割がお断りのサイン!放置が招く致命的な結末

1-1. なぜ「検討します」と言われたら危険なのか?時間が経つほど熱量は下がる

まず、最も重要なマインドセットとして、顧客からの「検討します」は、9割方「丁寧なお断り」のサインであると理解してください。相手は、その場で「No」と伝えることによる気まずい空気を避けるため、波風の立たないこの言葉を選択している可能性が高いのです。 たとえ相手に本当に検討する意思があったとしても、「鉄は熱いうちに打て」という格言通り、商談直後に最高潮に達した興味や購買意欲は、時間の経過とともに急速に冷めていきます。1日、2日と連絡が空くだけで、あなたの提案の優先順位は下がり、日常業務の中に埋もれて忘れ去られてしまうでしょう。

1-2. やってはいけないNG対応:「即決の強要」と「あっさり引き下がる」

この危険な状況で、多くの営業担当者が陥りがちなのが、両極端のNG対応です。

  • NG①:即決の強要
  • 「失注したくない」という焦りから、「今ここで決めていただけませんか?」「何か問題でも?」と性急に結論を迫るアプローチ。これは、顧客に強いプレッシャーを与え、「売り込まれた」という不快感を残します。せっかくの見込み案件を、自ら潰してしまう最悪の対応です。
  • NG②:あっさり引き下がる
  • 「承知いたしました。では、良いお返事をお待ちしております」と、何もせずに引き下がってしまう対応。これは一見丁寧ですが、事実上のギブアップ宣言です。顧客の「お断り」をそのまま受け入れ、案件を放置しているのと同じです。

正解は、この両極端の中間にあります。相手にプレッシャーを与えることなく、かつ関係性を途切れさせずに次のステップへと繋げる。それがプロの営業が実践する技術です。

1-3. 返信メールを送る前にやるべき「その場での切り返し」とは

効果的な返信メールを送るためには、その前提として、商談の場でどれだけの情報を引き出せるかが鍵となります。「検討します」と言われてから「ありがとうございました」と席を立つまでの、わずか数分間のやりとりが勝負を分けるのです。以下の章では、その具体的なステップを解説していきます。

2.【Step1】まずはお礼を伝える!相手の心を開く感謝の言葉

2-1. がっかり顔はNG!「ありがとうございます」で主導権を握る

「検討します」と言われた瞬間、内心がっかりしても、決してそれを顔や態度に出してはいけません。ここでまず口にすべき言葉は、笑顔での「ありがとうございます!」です。

「貴重なお時間をいただき、前向きにご検討いただけるとのこと、誠にありがとうございます」

この一言で、相手は「自分の言葉をポジティブに受け止めてくれた」と安心し、心のガードを少しだけ緩めます。これにより、その後の質問がしやすい空気を作り出すことができます。がっかりした態度は相手を恐縮させ、会話を終わらせてしまいます。感謝の言葉こそが、次のステップへの扉を開く鍵なのです。

2-2. 提案メールへの返信でも、まずはお礼から始める

これは、メールでのやりとりでも同様です。相手から「資料を拝見しました。社内で検討させてください」という返信メールが来た場合も、その返信の冒頭は必ずお礼から始めましょう。

【例文:返信メール冒頭】

件名:Re: 〇〇のご提案について

株式会社〇〇
営業部 〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

このたびは、ご多忙のなか弊社からの提案資料をご確認いただき、誠にありがとうございます。
また、前向きにご検討いただけるとのこと、重ねてお礼申し上げます。
    

3.【Step2】「検討します」の真意を探る!ボトルネック解消のためのヒアリング

感謝を伝えたら、次にやるべきことは「なぜ、相手は『検討』する必要があるのか?」という真意を探るヒアリングです。ここで相手が抱える課題(ボトルネック)を正確に把握できれば、的確な次の一手を打つことができます。

3-1. なぜヒアリングが重要なのか?本当の断り理由を把握する

顧客は、本当の断り理由をストレートに言ってはくれません。「価格が高い」と思っていても、「機能を検討します」と言うかもしれません。ヒアリングの目的は、この建前の裏に隠された本音を引き出し、失注の根本原因を突き止めることです。

3-2. 顧客が抱える5つの「不」:不信・不要・不適・不満・不安

顧客が契約に至らない理由は、突き詰めると5つの「不」に分類できます。相手の言葉の端々から、どの「不」に当てはまるのかを推測しましょう。

  • 不信:
  • 営業担当者や企業そのものが信頼できない。
  • 不要:
  • そもそもその製品やサービスが必要だと思っていない。
  • 不適:
  • 製品は良いと思うが、自社の状況には合わないと感じている。
  • 不満:
  • 価格や機能、サポート体制などに不満がある。
  • 不安:
  • 導入して本当に効果が出るのか、失敗しないか不安。

3-3.【切り返しトーク例】「差し支えなければ、どのような点を最もご検討されますか?」

ヒアリングは尋問ではありません。相手が本音を話しやすいように、丁寧な言葉で質問することが重要です。

【切り返しトーク例】
「ありがとうございます。今後のご提案の参考にさせていただきたく、もし差し支えなければ、どのような点を中心にご検討される予定か、ヒントだけでもお聞かせいただけますでしょうか?」
「例えば、価格面でしょうか、それとも機能面で他社様と比較されるご予定でしょうか?」

この質問によって、相手が価格を気にしているのか、決裁権の問題なのか、他社との比較をしたいのか、といったボトルネックが明確になります。

4.【Step3】次のアクションをその場で決める!関係性を途切れさせない技術

ヒアリングでボトルネックが把握できたら、商談の最後に必ず「次のアクション」をその場で設定します。これが関係性を途切れさせないための最重要テクニックです。

4-1. 「契約」は先延ばしでも、「次の接点」はその場で決める

顧客の「検討したい」という気持ちは尊重します。「承知いたしました。ぜひじっくりご検討ください」と一旦受け入れましょう。 ただし、そのままでは連絡が途絶えてしまいます。契約の判断は先延ばしにしても、「次に我々がいつ、何をするか」という次の接点だけは、必ずその場で合意を取り付けます。

4-2.【切り返しトーク例】「では、皆様でご検討いただくための追加資料を、明日メールでお送りしてもよろしいでしょうか?」

次のアクションは、ヒアリングで把握したボトルネックを解消するための提案であるべきです。

【ボトルネック別の切り返しトーク例】

  • (価格がネックの場合)
  • 「承知いたしました。では、本日ご提案したプランとは別に、費用を抑えた月額プランの資料もございますので、比較検討用として明日メールでお送りしてもよろしいでしょうか?」
  • (上司の承認が必要な場合)
  • 「さようでございますか。では、〇〇様がご上司に説明しやすいように、本日の議事録と導入メリットをまとめた資料を作成し、お送りいたします。来週あたり、改めてご状況をお伺いするお時間を5分ほどいただけますでしょうか?」
  • (他社比較をしたい場合)
  • 「かしこまりました。でしたら、他社様と比較される際のチェックポイントをまとめた比較表をお送りします。来週水曜日の14時か、金曜日の16時で、その後のご状況についてお伺いするお電話のお時間をいただけますか?」

ポイントは、漠然と「またご連絡します」ではなく、「いつ」「誰が」「何を」するのかを具体的に提示し、相手の了承を得ておくことです。

4-3. 次のアクションが決まった後の「お礼兼リマインドメール」の例文

商談が終わったら、その日のうちに必ず「お礼兼リマインドメール」を送信します。これにより、口頭で約束した次のアクションを文章として記録に残し、双方の認識を合わせることができます。

【例文:お礼兼リマインドメール】

件名:【株式会社△△ 佐藤】本日のお打ち合わせのお礼

株式会社〇〇
営業部 〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

本日はご多忙のなか、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
〇〇様のお話を伺い、弊社製品がお役に立てる可能性を改めて確信いたしました。

先ほどお約束させていただきました通り、ご検討用の追加資料(費用比較プラン)を、明日午前中を目処にお送りさせていただきます。

取り急ぎ、本日の御礼を申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
---
署名
---
    

5.【Step4】“検討期間中”に送る!返信率を上げる追客メールの書き方と例文

次のアクションを設定したからといって、安心してはいけません。約束の日時まで何もせずに待つのではなく、「検討期間中」に戦略的なフォローメール(追客メール)を送ることで、相手の検討を後押しし、関係性を強化します。

5-1. 目的別のメール文例

追客メールは、単なる「催促」であってはなりません。相手にとって「有益な情報提供」であることが重要です。

商談でのヒアリングで感じ取った相手の懸念点に対して、先回りしてフォローの情報を送ります。

件名:【株式会社△△ 佐藤】〇〇の費用対効果に関する補足資料のご案内
本文:
先日の打ち合わせで、費用対効果についてご懸念のようでしたので、補足のデータをお送りいたします。
本プランを導入されたA社様では、半年で導入コストを回収し、年間で約200万円のコスト削減に成功したという実績がございます。
詳細は添付の資料をご確認いただけますと幸いです。
ご検討の材料としてお役立てください。
    

自社の宣伝ではなく、客観的な情報を提供することで、相手の検討を支援する姿勢を見せます。

件名:【株式会社△△ 佐藤】【ご参考】〇〇業界の最新動向レポート
本文:
先日お話しいただいた貴社の課題に関連し、ご参考になりそうな業界レポートがございましたので共有させていただきます。
特に3章の「DX化の動向」は、弊社の提案内容とも関連が深いかと存じます。
(URLなどを記載)
〇〇様のご検討の一助となれば幸いです。
    

次のアポイントの前日などに送るリマインドメールです。丁寧な印象を与え、アポイントのキャンセルを防ぎます。

件名:【株式会社△△ 佐藤】明日のお打ち合わせに関するご確認
本文:
いつもお世話になっております。
明日〇日(〇)〇時よりお時間をいただいております、お打ち合わせの件でご連絡いたしました。
当日は、先日お話しいただいた〇〇の件について、さらに具体的なご提案をさせていただければと存じます。
お目にかかれるのを楽しみにしております。
    

5-2. メール作成で注意すべき3つのポイント

  1. 件名だけで用件がわかるようにする:
    「Re:」だけで返信を続けるのではなく、「【〇〇の件】」「【ご確認】」など、用件を明確に記載しましょう。
  2. 相手の就業時間内に送る:
    深夜や休日の送信はビジネスマナーとして避けるのが無難です。メール作成ツールの自動送信機能を活用しましょう。
  3. 質問は簡潔に、箇条書きを活用する:
    相手に回答を求める際は、ダラダラと文章を書くのではなく、質問事項を箇条書きにして整理すると、相手は返信しやすくなります。

6.【最終手段】それでも顧客が動かない…隠れたニーズを掘り起こす「B面戦略」とは

ここまでのステップを丁寧に踏んでも、どうしても顧客が動かないケースもあります。その場合、あなたの提案(A面)が、そもそも顧客の本当のニーズからズレている可能性があります。そんなときに繰り出すのが、最終手段である「B面戦略」です。

6-1. 提案(A面)が響かないのは、顧客の“本音”に応えられていないから

顧客が口にする「課題」と、心の奥底で本当に求めている「本音(インサイト)」は違うことが多々あります。例えば、「投資の方法を知りたい」と言う顧客の本音は、単に「お金を増やして安心したい」かもしれません。この本音に気づかず、いくら複雑な投資の提案(A面)をしても響かないのです。

6-2. 顧客の本当のニーズ(インサイト)を探る方法

ヒアリングの中で、「なぜ」を繰り返すことが重要です。「なぜ、売上をアップしたいのですか?」→「社員の給料を上げたいから」→「なぜ、給料を上げたいのですか?」→「社員に長く働いてほしいから」。ここまで掘り下げると、顧客の本音が「人材の定着」であることが見えてきます。

6-3. 全く新しい切り口(B面)で再提案する5つの“ずらし”テクニック

顧客の本音が見えたら、A面とは全く違う切り口の提案(B面)をぶつけてみます。これが「ずらし」のテクニックです。

  1. ①価格をずらす:
    高単価のコンサルティングがダメなら、月額1万円の情報配信サービスを提案する。
  2. ②量をずらす:
    フルパッケージの導入が重いなら、その中の一つの機能だけを切り出して安価に提供する。
  3. ③ターゲットをずらす:
    社長が決断しないなら、現場の担当者が使える「業務効率化ツール」として提案し、ボトムアップを狙う。
  4. ④目的をずらす:
    「痩せるサプリ」として響かないなら、「疲れにくくなるサプリ」として健康維持の観点からアプローチする。
  5. ⑤ブランドイメージをずらす:
    いつも真面目で堅いトーンの提案なら、あえてYouTubeのノリのような親しみやすいトーンの資料を作成してみる。

6-4.【B面戦略】再提案メールの例文

A面の提案を一度断られた後、B面で再アプローチする際のメール例文です。

件名:【株式会社△△ 佐藤】先日の件とは別のご提案です

株式会社〇〇
営業部 〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の佐藤です。

先日は、弊社プランをご検討いただきありがとうございました。
その後の社内報告のなかで、〇〇様が「社員の皆様が長く働ける環境を作りたい」とお話しされていたことが非常に印象に残っておりました。
もしよろしければ、弊社の主力プランとは別に、現場の社員様向けの「業務効率化ツール」(月額〇円〜)もございます。こちら、社員の残業時間削減に繋がり、離職率低下に貢献した事例もございますので、ご興味がございましたら、情報だけでもお送りさせていただけますでしょうか。

本来のプランとは全く別の切り口となりますので、ご放念いただいても全く問題ございません。
もしご興味お持ちいただけましたら、このメールにご返信いただけますと幸いです。
    

7. まとめ:「検討します」は、顧客をより深く理解するチャンスである

「検討します」という言葉は、営業にとって恐れるべきフレーズではありません。むしろ、それは「あなたの提案には、まだ私が契約を決断できない何らかの理由がありますよ」という、顧客からの貴重なフィードバックなのです。

なぜ、検討が必要なのか。その理由を丁寧にヒアリングし、メールや電話で真摯にフォローし、時には全く違う角度からの提案をぶつけてみる。このプロセスを通じて、あなたは顧客をより深く理解し、より強固な信頼関係を構築することができます。

今日から、「検討します」を終わりの合図ではなく、真の対話の始まりの合図と捉えてみてはいかがでしょうか。

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