ギバーは損するだけ?成功する「戦略的ギバー」と搾取される人の決定的な違いとは

ギバーは損するだけ?成功する「戦略的ギバー」と搾取される人の決定的な違いとは?「人に与える人は成功する」
ビジネス書や自己啓発の世界でよく耳にするこの言葉。しかし、現実の仕事や人間関係において、親切にしたのに報われない、むしろ都合よく使われて疲弊してしまったという経験はありませんか?
「自分はギブしているつもりなのに、なぜ豊かになれないのか?」
「正直者が馬鹿を見る社会なのか?」
その答えは、組織心理学者アダム・グラント氏の著書『GIVE & TAKE』の中に隠されています。
実は、人間には3つのタイプが存在し、最も成功するのもギバーなら、最も失敗して貧乏くじを引くのもギバーであるという衝撃的な事実があるのです。
この記事では、人に与えるギバー程成功するという嘘を解き明かし、自己犠牲をやめて幸せな成功者になるための「戦略的思考」を徹底解説します。あなたの働き方と人生を劇的に変えるヒントがここにあります。

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目次
  1. 1. そもそも「ギバー(GIVER)」とは?テイカー・マッチャーとの違い
    1. 1-1. 組織心理学者アダム・グラントの定義する3つのタイプ
    2. 1-2. 【衝撃の事実】最も成功するのも、最も失敗するのもギバーだった
    3. 1-3. (コラム)漫画・ドラマ『GIVER 復讐の贈与者』との違い
  2. 2. なぜあなたは報われない?失敗する「自己犠牲型ギバー」の特徴
    1. 2-1. 無料で時間と労働力を切り売りしてしまう
    2. 2-2. 「断れない」が生むエネルギードレイン(疲弊)と成果の低下
    3. 2-3. 相手への「期待」が裏切られた時、ポジティブな関係は崩壊する
  3. 3. 成功者が実践している「戦略的ギバー(他者思考型)」の思考法
    1. 3-1. 自己犠牲ではなく「他者志向」:自分の利益も確保する重要性
    2. 3-2. 成功の鍵は「リカプロシティ・ループ(互恵性の循環)」
    3. 3-3. 虫の目ではなく「鳥の目」を持つ
    4. 3-4. 相手と共に成長するという目的を持つことで見返りは自然と還ってくる
  4. 4. 誰にギブすべきか?付き合う「相手」の選び方と見極め
    1. 4-1. テイカーとは距離を置く:関心を持つべきは「信頼できる人」
    2. 4-2. マッチャーとの付き合い方:バランスを取りながら人脈を広げる
    3. 4-3. 現代社会で組織やコミュニティを活用するメリット
  5. 5. 明日からできる!「豊かなギバー」になるためのアクションプラン
    1. 5-1. まずは小さな「親切」から:5分間の親切(5-minute favor)
    2. 5-2. 自分のリソース(時間・価格・労力)に境界線を引く
    3. 5-3. 成果の共有:ポジティブな行動を可視化する
    4. 5-4. 「追加」の価値を提供する意識が、将来の大きな資産になる
  6. まとめ
 

ギバーは損するだけ?成功する「戦略的ギバー」と搾取される人の決定的な違いとは

1. そもそも「ギバー(GIVER)」とは?テイカー・マッチャーとの違い

まず、私たちの周りに存在する3つの人間タイプについて、その特徴と本質を理解しましょう。ここを誤解していると、戦略を立てることができません。

1-1. 組織心理学者アダム・グラントの定義する3つのタイプ

アダム・グラントの研究によると、人は対人関係において「何を与えるか」「何を受け取るか」のバランスによって以下の3つに分類されます。

  • 1 ギバー(GIVER)
  • 
他者への貢献を優先する人です。「何をしてあげられるか」を常に考え、見返りを期待せず、相手のために行動します。全体の約25%がこのタイプと言われています。
  • 2 テイカー(Taker)
  • 
自分の利益を最優先し、相手から奪おうとする人です。「何をしてもらえるか」に関心があり、世の中を競争(ゼロサムゲーム)と捉え、自分が上に立つことに固執します。全体の約19%存在します。
  • 3 マッチャー(Matcher)
  • 
損得のバランスを考える人です。「やってもらったら返す、やらなければ返さない」という公平性(等価交換)を重視します。実は世の中の過半数、約56%がこのマッチャーに属します。

1-2. 【衝撃の事実】最も成功するのも、最も失敗するのもギバーだった

ここからが本題です。エンジニア、医学生、セールスマンなど様々な職業のデータを分析した結果、社会的・経済的に「最も成功しているグループ」はギバーでした。彼らは周囲からの信頼を集め、大きな成果を上げていました。

しかし、同時に「最も底辺で苦しんでいるグループ(成績が悪く、収入も低い)」もまた、ギバーだったのです。テイカーやマッチャーは、その中間に位置していました。

このインパクトのある事実は、単に「いい人」であるだけでは成功できないことを示唆しています。「成功するギバー」と「失敗するギバー」。その運命を分ける分かれ道は、思考と行動のパターンの違いにあります。

1-3. (コラム)漫画・ドラマ『GIVER 復讐の贈与者』との違い

ネット検索で「GIVER」と調べると、同名の漫画作品や、それを原作として放送されたドラマ『GIVER 復讐の贈与者』というシリーズ作品がヒットすることがあります。
これらは他人の復讐を請け負う主人公を描いたダークなエンターテインメント作品であり、今回解説しているビジネス心理学における「ギバー」とは意味合いが異なります。無料試し読みなどで作品に触れる際は、今回の記事で解説する組織心理学の用語とは別物として区別して捉えてください。

2. なぜあなたは報われない?失敗する「自己犠牲型ギバー」の特徴

失敗してしまうギバーは、専門用語で「自己犠牲型」と呼ばれます。もし以下の特徴に当てはまるなら、あなたは知らず知らずのうちに搾取される側になっている可能性があります。

2-1. 無料で時間と労働力を切り売りしてしまう

自己犠牲型ギバーは、頼まれると断れず、自分の時間や労力を無料同然で提供してしまいます。
例えば、「この資料、明日までに作っておいて」と言われて、自分の仕事を後回しにしてまで引き受ける。あるいは、専門的なスキルを持っているのに「友達だから」という理由で無償でサービスを提供する。
これは親切のように見えて、実は思考停止による「安売り」です。自分の価値を自分で下げてしまっている状態と言えます。

2-2. 「断れない」が生むエネルギードレイン(疲弊)と成果の低下

カーネギーメロン大学の研究では、無制限に他者を助け続けると「エネルギードレイン(エネルギーの枯渇)」が起きることが分かっています。
自分が疲弊してしまうと、本来出すべき成果が出せなくなり、仕事のパフォーマンスが低下します。結果として、周囲からの評価も「あの人は仕事が遅い」「頼めば何でもやる都合のいい人」というネガティブなものになりかねません。
自分を犠牲にして他人を助けても、共倒れになってしまっては意味がないのです。

2-3. 相手への「期待」が裏切られた時、ポジティブな関係は崩壊する

最初は「喜んでもらいたい」というポジティブな気持ちで始めても、一方的に搾取される関係が続くと、やがて心に歪みが生まれます。「これだけしてあげたのに、ありがとうの一言もない」「あの人はいつも私を利用するだけだ」
相手への「期待」が裏切られた時、人間関係は破綻し、過去の経験から「もう人には親切にしない」「人は信用できない」と心を閉ざしてしまうリスクがあります。これはテイカーの格好の餌食になり、自尊心を削り取られてしまった状態です。

3. 成功者が実践している「戦略的ギバー(他者思考型)」の思考法

一方で、成功するギバーは「他者志向型」あるいは「戦略的ギバー」と呼ばれます。彼らは決して冷徹なわけではありませんが、非常に賢く、戦略的な思考を持っています。ここではその具体的な思考プロセスを深掘りします。

3-1. 自己犠牲ではなく「他者志向」:自分の利益も確保する重要性

戦略的ギバーの最大の特徴は、「他人の利益」と同じくらい「自分の利益」にも関心を持つことです。これを「他者志向性(Otherish)」と呼びます。

彼らは、酸素マスクの原則を知っています。飛行機で緊急事態が起きた時、「まず自分がマスクをつけてから、隣の人を助ける」のが鉄則です。自分が酸欠で倒れてしまっては、誰も助けられないからです。
ビジネスも同じです。自分が経済的・精神的に満たされていてこそ、他者に質の高い、持続可能な貢献ができます。自分のリソース(時間や資金、健康)を守ることは、利己的なことではなく、ギブし続けるための必須条件なのです。

3-2. 成功の鍵は「リカプロシティ・ループ(互恵性の循環)」

「リカプロシティ・ループ(互恵性の循環)」とは一方の行動が他方の反応を引き起こし、それがさらに最初の行動に影響を与えるという、継続的な相互作用の循環のことです。成功するギバーは、単発の親切で終わらせず、以下のような循環構造を作り出します。

  • 1 ギブ(価値提供)
  • 相手にとって有益な情報や機会を提供する。
  • 2 信頼(トラスト)の蓄積
  • 「この人は信頼できる」「ただ者ではない」という信用残高が貯まる。
  • 3 機会(オポチュニティ)の創出
  • 信頼に基づき、新しい仕事の紹介、協業(JV)、人脈の紹介などが生まれる。
  • 4 成果・利益の獲得
  • その機会によって、自分にも利益や成長がもたらされる。
  • 5 再投資(さらなるギブ)
  • 得た利益を使って、さらに大きなギブを行う。

このループを回すことで、ギブは単なる消費ではなく、将来への投資になります。見返りを強要するのではなく、信頼が循環した結果として、自然とリターンが返ってくる仕組みを設計しているのです。

3-3. 虫の目ではなく「鳥の目」を持つ

競合記事でも触れられていますが、成功するギバーは「視座」が高いのが特徴です。これを「虫の目」と「鳥の目」で比較してみましょう。

  • • 虫の目(失敗するギバーの視座)
  • 
目の前の作業や現象しか見えていません。例えば、「畑の草むしりをして」と頼まれたら、言われた通りに草をむしります。「言われたことをやった」ことに満足しますが、相手にとっては「代替可能な労働力」に過ぎません。
  • • 鳥の目(成功するギバーの視座)
  • 
全体を俯瞰し、構造や未来を見ています。「なぜ草むしりが必要なのか?」「もっと効率的に作物を育てるにはどうすればいいか?」という本質を考えます。

戦略的ギバーは、単に作業を代行するのではなく、「そもそも草が生えないような農法」を提案したり、「より高く売れる流通ルート」を紹介したりします。相手が抱えている真の課題を解決する「インパクトのある提案」を行うのです。この付加価値こそが、相手にとっての真の利益となり、あなたを「代わりのきかない存在」へと押し上げます。

3-4. 相手と共に成長するという目的を持つことで見返りは自然と還ってくる

戦略的ギバーが持つ究極の目的は、「相手と共に成長すること」です。
単に「助けてあげる」という上下関係ではなく、「一緒にビジネスを大きくする」「共に市場価値を高める」というパートナーシップの視点を持っています。

相手が成長し、成功すればどうなるでしょうか?
かつてあなたが助けた相手が、数年後に大きな権限を持つ決裁者になっているかもしれません。あるいは、業界のインフルエンサーになっているかもしれません。
その時、彼らは恩義のあるあなたに、大きなチャンスや人脈をもたらしてくれるでしょう。これには1年〜3年といった時間がかかることもありますが、長期的な視点で「相手の成長」に投資することで、結果的に見返りは数倍、数十倍になって自然と還ってくるのです。

4. 誰にギブすべきか?付き合う「相手」の選び方と見極め

ギバーが成功するためには、「誰に与えるか」の選別(スクリーニング)が不可欠です。あなたのリソースは有限だからです。

4-1. テイカーとは距離を置く:関心を持つべきは「信頼できる人」

最も警戒すべき相手はテイカーです。彼らはあなたの善意を「当たり前」と感じ、感謝するどころか、「もっとやってくれ」「なぜ今回はやってくれないのか」と要求をエスカレートさせます。
テイカーの特徴には以下のようなものがあります。

  • • 「私(I)」を主語にして話すことが多い。
  • • 上司や有力者には媚びるが、部下や立場の弱い人には横柄な態度をとる。
  • • こちらの情報を聞き出すばかりで、自分の情報は開示しない。

戦略的ギバーは、テイカーに対しては明確に「NO」と言います。あるいは、「しっぺ返し戦略(マッチャー的な対応)」をとり、相手が協力的でない場合は自分も協力を止めます。
その分、浮いた時間を「信頼できる人」「ギバー的な価値観を持つ人」「協力し合える仲間」に集中投下します。これがあなたの身を守り、成功への確率を高めます。

4-2. マッチャーとの付き合い方:バランスを取りながら人脈を広げる

世の中の過半数を占めるマッチャーは、ギブの対象として悪くありません。彼らは受けた恩を返そうとする心理(返報性)が働くため、こちらが先にギブをすれば、適切なタイミングで協力してくれます。

マッチャーと付き合うコツは、「恩を売る」のではなく、「貸し借りのバランス」を意識することです。
あなたが困っている時に助けを求めれば、彼らは「以前助けてもらったから」と快く力を貸してくれるでしょう。マッチャーを味方につけることで、ビジネスの人脈は着実に広がり、組織内での動きやすさも格段に向上します。

4-3. 現代社会で組織やコミュニティを活用するメリット

SNSやオンラインサロン、ビジネスコミュニティの発達により、個人の「評判」が可視化されやすくなっています。これはギバーにとって追い風です。

閉鎖的な組織の中だけでなく、オープンなコミュニティでギブをすることには大きなメリットがあります。あなたが誰かに有益な情報を提供したり、親切な振る舞いをしたりすると、それは「あの人は頼りになる」「GIVEの精神がある素晴らしい人だ」という評判として、第三者にも伝わります。

テイカーは悪評が広まるのを恐れて近づきにくくなり、逆に優秀なギバーやマッチャーがあなたの周りに集まってきます。この「評判ネットワーク」は、現代社会において目に見えない資産となり、あなたのキャリアやビジネスを強力にバックアップしてくれます。

5. 明日からできる!「豊かなギバー」になるためのアクションプラン

理論は分かりました。では、明日から具体的にどう行動すればよいのでしょうか?
すぐに実践できる4つのアクションプランを提示します。

5-1. まずは小さな「親切」から:5分間の親切(5-minute favor)

アダム・グラントが推奨する最強のメソッドが「5分間の親切(5-minute favor)」です。
これは、「自分にとっては負担が少なく(5分以内でできる)、相手にとっては価値が高いこと」を行うというものです。

  • • 知りたい情報を持っている人を紹介する(メール1本で済む)。
  • • 相手のSNS投稿に、質の高いフィードバックやコメントをする。
  • • 役立つ記事や書籍のリンクをシェアする。
  • • 製品やサービスの正直なレビューを書く。

これなら、自分の時間を大量に犠牲にすることなく、相手に貢献できます。自己犠牲にならずにギブを習慣化する第一歩として最適です。

5-2. 自分のリソース(時間・価格・労力)に境界線を引く

「ここまでは無料でやるけれど、ここからは有料(または価格が発生する)」という境界線を明確にしましょう。
例えば、フリーランスであれば「最初の相談(30分)は無料だが、具体的な提案書の作成は有料」といった具合です。会社員であれば「自分の業務時間内なら手伝うが、残業してまではやらない」という線引きです。

プロとして自分のスキルに価格をつけること、自分の時間を守ることは、相手に対する誠意でもあります。境界線を引くことで、テイカーを遠ざけ、あなたの価値を理解してくれる相手だけを残すことができます。

5-3. 成果の共有:ポジティブな行動を可視化する

ギブによって生まれた成果や成功事例を共有する場を作りましょう。
自分が誰かを助けた結果、「プロジェクトが成功した」「相手の売上が上がった」という事実があれば、それを事例としてストックし、適切なタイミングで発信します。

これは自慢ではありません。「私はこういう貢献ができる人間です」という表明であり、周囲にあなたの提供価値を理解してもらうための重要なプロセスです。また、「おかげでうまくいった」というフィードバックを得ることは、あなたの自己肯定感を高め、次のポジティブな行動への原動力になります。

5-4. 「追加」の価値を提供する意識が、将来の大きな資産になる

まれた仕事に対して、期待された通りのものを返すのは「0点(当たり前)」です。マッチャー的な仕事です。
戦略的ギバーは、そこにほんの少しの「追加」の価値(プラスアルファ)を乗せて返します。

  • • 頼まれたデータ集計に、簡単な考察コメントを添える。
  • • 会議の議事録に、次回のToDoリストを整理してつける。
  • • お客様への提案資料に、業界の最新ニュースを一つ盛り込む。

この「101%」の仕事の積み重ねが、「あなたにお願いしたい」という指名を生み、将来的に大きな資産となって返ってきます。

まとめ

ギバーであることを諦める必要はありません。優しさや貢献心は、これからの時代において最も強力な武器になります。
ただ、「与え方」を少し変えるだけでいいのです。このように戦略的に振る舞うことで、あなたも周囲も幸せになれる道が開けます。
今日から「思考」を変えて、搾取される側から脱却し、衝撃的な成功をつかみ取りましょう。あなたのギブが、正しい相手に届き、美しい循環を生むことを願っています。

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