【事例で解説】顧客の心を掴む極意|「あるある」「わかる」共感の見つけ方と伝え方

「マーケティングにおいて『 共感 』が重要だとは聞くけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」。中小企業の経営者やマーケティング担当者の方々から、このような声をよく耳にします。現代のビジネス、特にSNSが普及した環境において、機能や価格だけで製品を選択してもらうことは難しくなっています。消費者は、企業の理念や価値観に「共感」できるかどうかを重視し、購買行動を決定する傾向が強まっているのです。
この記事では、「 共感 」という抽象的な概念の正体を解き明かし、自社のマーケティング戦略にどう取り入れ、ファンを増やし、売上に繋げていくかの具体的な手法を、豊富な事例と共に徹底解説します。

法人営業専門のチラシ・カタログ・パンフレット制作

初回おためし限定

チラシ・カタログ・パンフレットが限定10社無料

営業資料の作成に追われて、本来の営業活動に集中できていない…」「もっと質の高い営業資料で、成約率を向上させたい…」営業の負担を軽減し、成約率向上に貢献する、高品質なチラシ・カタログ・パンフレットを低価格・スピーディに制作します。

お問い合わせはこちら

目次
  1. 1. 結論:「共感」とは何か?その正体は「あるある」「わかる」の言語化
    1. 1-1. マーケティングにおける「共感」の重要性
    2. 1-2. 文具のコクヨも実践!学生の「あるある」を攻略するプロモーション事例
    3. 1-3. SNSで反応が高い投稿の共通点:「わかる!」がコメントとエンゲージメントを生む
  2. 2. 「あるある」「わかる」の見つけ方:顧客の日常に隠された共感のタネ
    1. 2-1. 顧客インタビューの重要性:日常のルーティンにヒントが隠されている
    2. 2-2. ゴキブリ理論:2人が言っていることは100人が思っている
    3. 2-3. SNSのコメント欄は共感の宝庫:顧客の生の声に耳を傾ける
    4. 2-4. すべての「あるある」をメモにストックする習慣
  3. 3. 共感を形にする王道テクニック:「視覚的なストーリーテリング」
    1. 3-1. なぜ物語は人の心を動かすのか?
    2. 3-2. シャネルの事例:100年の歴史を物語るショートフィルム
    3. 3-3. 誰でも実践できるストーリーの作り方:「絵本」と「漫画」が最強の理由
    4. 3-4. 飲食店も活用!待つ時間を価値に変える「絵本型パンフレット」
  4. 4. ストーリーの作り方:人を惹きつける6つの王道パターン
    1. 4-1. ヒーローズ・ジャーニー型:困難を乗り越える問題解決ストーリー
    2. 4-2. ビフォー・アフター型:変化を劇的に見せる王道パターン
    3. 4-3. クライシス&リカバリー型:「試行錯誤の過程」が共感と真実味を生む
    4. 4-4. 成功の要因分析型:成功の裏側を見せる逆算モデル
    5. 4-5. 理想の未来型:プラスアルファの価値を提供する商品の伝え方
    6. 4-6. 顧客の変化体験型:ひたすら事例を並べるだけでコンバージョンは上がる
  5. 5. ゼロから始めるストーリー制作:テンプレートと外部リソースの活用
    1. 5-1. シナリオライターへの依頼という選択肢
    2. 5-2. 無料で使える脚本ダウンロードサイトを活用する
    3. 5-3. ストーリーテリングの王道テンプレート
  6. 6.【重要】共感を深める最後のひと押し:「演出」の技術
    1. 6-1. 「あなたと私は同じ悩みを持つ仲間」というメッセージ
    2. 6-2. 顧客の「商品を買う前」のリアルな実体験エピソードを集める重要性
  7. 7. まとめ:共感の輪を広げ、ファンを増やすために
    1. 7-1. 「素朴な疑問」が名言やバズるコンテンツを生む
    2. 7-2. 身近な現象に「なぜ?」を問いかける習慣

【顧客の心を掴む極意】「あるある」「わかる」の見つけ方と伝え方

1. 結論:「共感」とは何か?その正体は「あるある」「わかる」の言語化

1-1. マーケティングにおける「共感」の重要性

マーケティングにおける「共感」とは、単に同情することではありません。それは、顧客が自社の製品やブランドに対して「これは自分のことだ」「この企業は自分を理解してくれている」と感じる感情のことです。この感情は、顧客との強い信頼関係を構築し、長期的なファン(ロイヤルカスタマー)を獲得するための強力な基盤となります。これはBtoBビジネスにおいても同様で、担当者の感情的な意思決定が購買に大きな影響を与えます。

1-2. 文具のコクヨも実践!学生の「あるある」を攻略するプロモーション事例

「共感」の正体。それはズバリ、「あるある」「わかる」を言語化することです。 動画で紹介されていた文具メーカー、コクヨの成功事例を見てみましょう。コクヨは中高生をターゲットにしたWebプロモーション「学生生活あるある攻略図鑑」を展開しました。

  • 「(親や先生に言われて)今、やろうとしてたのに!」
  • 「先生、それさすがに無理ゲーすぎます」

こうした学生なら誰しもが経験する「あるある」な状況をコンテンツ化することで、ターゲット層から大きな支持と注目を集めました。これは、企業がユーザーの日常を深く理解し、その気持ちを代弁したことで、強い共感が生まれた典型的な成功事例です。

1-3. SNSで反応が高い投稿の共通点:「わかる!」がコメントとエンゲージメントを生む

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSで拡散され、多くの「いいね」やコメントが集まる投稿(UGCを含む)を分析すると、必ずと言っていいほど「わかる!」「私もある!」といった共感の要素が含まれています。 企業が情報発信を行う際、製品の魅力を一方的に宣伝するだけでは、消費者の心は動きません。顧客が思わず「そうそう!」と頷いてしまうような「あるある」をメッセージに込めることで、初めてコミュニケーションが成立し、ブランドへの愛着が生まれるのです。

2. 「あるある」「わかる」の見つけ方:顧客の日常に隠された共感のタネ

では、その共感のタネである「あるある」は、どこで見つければよいのでしょうか。それは、顧客の「当たり前の日常」の中に隠されています。

2-1. 顧客インタビューの重要性:日常のルーティンにヒントが隠されている

最も効果的な方法は、実際の顧客にインタビューを行い、生の声を聞くことです。製品の感想だけでなく、彼らが普段どのような生活を送り、どのような課題や悩みを抱えているのか、日常のルーティンを深掘りします。

「朝起きてから夜寝るまで、どんな時間を過ごしていますか?」
「その製品を使う前は、どんなことに困っていましたか?」

こうした質問を通じて、顧客自身も意識していない「当たり前の行動」や「潜在的なニーズ」を探り当てることが、顧客の心を掴むアプローチの第一歩です。

2-2. ゴキブリ理論:2人が言っていることは100人が思っている

インタビューやフィードバックの中で、もし2人以上の顧客が同じような体験や悩みを口にしたら、それは強力な「共感のタネ」である可能性が高いです。 動画ではこれを「ゴキブリ理論」と呼んでいます。1匹見つけたら100匹いるように、2人が感じていることは、その後ろにいる100人の顧客も同じように感じていると考えられます。この共通項こそが、マーケティングで活用すべき「あるある」なのです。

2-3. SNSのコメント欄は共感の宝庫:顧客の生の声に耳を傾ける

全ての企業が大規模なインタビューを実施できるわけではありません。そんな時は、自社や競合他社のSNSアカウントのコメント欄、あるいはAmazonなどのレビューサイトを分析しましょう。そこには、顧客のリアルな声、感情、そして日常の行動パターンが溢れています。 例えば、動画内で紹介された音声配信メディアの例。「聞き流すつもりだったのに、いつの間にかメモを取っていた」というコメントが複数見られたとします。これは、「学びに熱心なユーザーが多い」という事実だけでなく、「メモを取ってしまうほど夢中になる」というユーザーの行動(あるある)を発見したことになります。

2-4. すべての「あるある」をメモにストックする習慣

こうした「あるある」は、日々の運用の中で見つけても、すぐに忘れてしまいがちです。重要なのは、些細な気づきであっても必ずメモに取り、共感ネタとしてストックしておくことです。このストックが、後のコンテンツ制作やキャンペーン企画において、強力な武器となります。

3. 共感を形にする王道テクニック:「視覚的なストーリーテリング」

「あるある」を見つけたら、次はそれをどう効果的に伝えるか、という段階に進みます。ここで最も強力な手法が「ストーリーテリング」、特に視覚的なストーリーで見せることです。

3-1. なぜ物語は人の心を動かすのか?

人は、単なる事実の羅列よりも、物語(ストーリー)に心を動かされます。ストーリーは、製品やサービスを単なる「モノ」から、意味のある「体験」へと変える力を持っています。ストーリーを通じて主人公の体験を追体験することで、顧客は感情移入し、深い共感を覚えるのです。

3-2. シャネルの事例:100年の歴史を物語るショートフィルム

動画では、高級ブランドであるシャネルの香水「No.5」の事例が紹介されました。シャネルは、香水の機能(香り)を直接的にアピールするのではなく、その誕生から100年にわたる歴史や、香水をまとった女性が自らの意思で行動する姿を、美しいショートフィルム(動画)で表現しています。 これは、ブランドが持つ世界観や歴史(背景)をストーリーとして語ることで、製品に深い価値を与え、顧客の感情に訴えかける高度な共感を呼ぶアプローチの実践例です。

3-3. 誰でも実践できるストーリーの作り方:「絵本」と「漫画」が最強の理由

「うちはシャネルのような予算も歴史もない…」と諦める必要はありません。ストーリーを伝える上で重要なのは、豪華さではなく「分かりやすさ」です。 動画では、「絵本」や「漫画」の活用が推奨されています。なぜなら、子供でも理解できるものは、大人にも確実に伝わるからです。難しい言葉や専門的な解説は不要です。シンプルで視覚的に分かりやすい表現こそが、万人の共感を呼びます。

3-4. 飲食店も活用!待つ時間を価値に変える「絵本型パンフレット」

ある飲食店では、料理の待ち時間に、お店の創業秘話やメニュー開発のこだわりを「絵本」にして渡しているそうです。これにより、退屈な待ち時間がブランド体験の時間へと変わり、顧客は料理への期待感を高めると同時に、お店への愛着を深めます。これは、コストをかけずに顧客との関係性を構築できる素晴らしいアイデアです。

4. ストーリーの作り方:人を惹きつける6つの王道パターン

ストーリーが重要であることは理解できても、いざ自社の製品でストーリーを作ろうとすると手が止まってしまうかもしれません。ここでは、マーケティングで効果的な6つのストーリーパターンを紹介します。

4-1. ヒーローズ・ジャーニー型:困難を乗り越える問題解決ストーリー

最も王道なパターンです。主人公(顧客または開発者)が何らかの課題や困難に直面し、それを解決するための方法(製品やサービス)に出会い、成長や成功を遂げるという流れです。

  • 例:ブラックサンダー
  • 一度は生産中止の危機に瀕しながらも、ファンの声によって復活し、大ヒット商品となったストーリー。

この型は、製品開発の背景や創業ストーリーを伝える際に非常に効果的です。

4-2. ビフォー・アフター型:変化を劇的に見せる王道パターン

主人公が製品やサービスを利用する前(Before)と後(After)で、どれだけ劇的な変化があったかを見せる手法です。

  • 構成:
  • 満足していない現状(悩み)→ 転機(製品との出会い)→ 変化(使い始めた後の変化)→ 成功(悩みが解決された状態)

ヘルスケア商品やダイエット食品などでよく使われますが、BtoBの導入事例などでも強力な効果を発揮します。

4-3. クライシス&リカバリー型:「試行錯誤の過程」が共感と真実味を生む

これはヒーローズ・ジャーニー型に似ていますが、決定的な違いは「試行錯誤のプロセス」を丁寧に描く点にあります。 いきなり製品に出会って解決するのではなく、主人公が課題解決のために様々な方法を試し、失敗し、苦労する過程を描写します。この「苦労の過程」こそが、視聴者の共感を呼び、「応援したい」という感情を生み出します。また、簡単に成功しないことで、ストーリーに真実味(リアルさ)が加わります。

4-4. 成功の要因分析型:成功の裏側を見せる逆算モデル

従来の型とは逆で、まず「成功した状態」からスタートします。そして、「なぜこの成功が実現できたのか?」という理由やプロセスを遡って解説していく手法です。 憧れの対象となるようなインフルエンサーや、既に高い実績を持つ企業が活用すると効果的です。

4-5. 理想の未来型:プラスアルファの価値を提供する商品の伝え方

明確な課題解決型ではない、ファッションやエンターテイメント、趣味性の高い商品(なくても困らないが、あると人生が豊かになるもの)に適した型です。

  • 構成:
  • 主人公が理想の未来を描く → 目標への取り組み → 障害 → 製品との出会い → 理想の未来の実現

顧客が持つ「こうなりたい」という願望を刺激し、製品がその実現を支援するパートナーであることを示します。

4-6. 顧客の変化体験型:ひたすら事例を並べるだけでコンバージョンは上がる

複雑なストーリーを構築するのが難しい場合、最もシンプルで強力なのがこの型です。製品を使った顧客の変化(ビフォー・アフター)の事例を、ひたすら数多く紹介します。 多くの成功事例(体験談)を提示することで、「これだけ多くの人が変化しているなら間違いない」という信頼感が生まれ、購買への意思決定を後押しします。

5. ゼロから始めるストーリー制作:テンプレートと外部リソースの活用

5-1. シナリオライターへの依頼という選択肢

自社でストーリーを作るのが難しい場合は、クラウドソーシングサイト(ランサーズやクラウドワークスなど)でプロのシナリオライターに依頼するのも一つの手です。費用はかかりますが、プロの技術によって、自社の魅力を最大限に引き出すストーリーを構築できます。

5-2. 無料で使える脚本ダウンロードサイトを活用する

動画では、プロが作成した脚本を無料でダウンロードできるサイト(例:「カギヤシナリオブログ」「ハリトラ」など)も紹介されています。こうしたサイトで公開されている脚本を参考に、自社のストーリーに応用できないか検討してみるのも良いでしょう。

5-3. ストーリーテリングの王道テンプレート

まずは基本的な型(テンプレート)に沿って、自社の情報を当てはめてみることから始めましょう。特に前述の「ヒーローズ・ジャーニー」は、多くのヒット映画や広告で使われている万能なテンプレートです。こうした型を活用することで、初心者でも人の心を動かすストーリーを設計することが可能です。

6.【重要】共感を深める最後のひと押し:「演出」の技術

6-1. 「あなたと私は同じ悩みを持つ仲間」というメッセージ

企業が顧客に対して上から目線で語るのではなく、「私もあなたと同じ悩みを抱えていました」というスタンスで語りかけることが重要です。同じ目線に立ち、悩みを共有することで、顧客は「この人は仲間だ」と感じ、心を開いてくれます。

6-2. 顧客の「商品を買う前」のリアルな実体験エピソードを集める重要性

多くの企業は、「商品を買った後」の体験談ばかりを集めがちです。しかし、真の共感は「商品を買う前」の悩みや試行錯誤の過程にこそ生まれます。

例:化粧品の場合

  • (×)この化粧品を使ったら肌が綺麗になりました!
  • (○)他の化粧品では肌が乾燥し、泡立ちも悪かった。泡立てネットを使っていたが、それも面倒で…。そんな時にこの商品に出会いました。

「泡立てネットを使っていた」という具体的な行動を描写することで、同じ経験を持つ顧客は「まさに私のことだ!」と強く共感し、その後の製品への興味が格段に高まります。

7. まとめ:共感の輪を広げ、ファンを増やすために

7-1. 「素朴な疑問」が名言やバズるコンテンツを生む

「共感」は、顧客の心の中にあるモヤモヤとした「素朴な疑問」に、ズバリと答えることでも生まれます。 「好きなことだけで生きていきたいけど、本当にそれでいいのかな?」という多くの人が抱える疑問に対し、「やりたいことのために、やりたくないことをやるんだ」と断言する(DJ社長の事例)。このように、皆が言語化できていなかった疑問への明確な回答は、強い共感を生み、名言として拡散されていきます。

7-2. 身近な現象に「なぜ?」を問いかける習慣

共感のタネを見つけるためには、日常のあらゆる出来事に対して「なぜ?」と問いかける習慣が必要です。 「なぜこのスーパーのレジはいつも混んでいるのか?」
「なぜこのカフェでは皆パソコンを開いているのか?」

この「なぜ?」の探求が、顧客の深層心理を理解し、共感を呼ぶマーケティング戦略へと繋がっていきます。 貴社の製品やサービスには、まだ語られていないどんなストーリーが隠されているでしょうか。ぜひ、顧客の「あるある」を見つけ、共感を呼ぶ情報発信を実践してみてください。それが、競争の激しい市場で選ばれ続けるブランドを築く、確かな一歩となります。

反応率アップするチラシ制作

法人営業専門のチラシ制作サービス「チラシビズ」

法人営業専門のカタログ・パンフレット・チラシ制作サービス「チラシビズ」では、チラシのデザイン・印刷・リストアップ・梱包・発送代行までワンストップで対応いたします。低価格・スピーディーな制作営業活動のお悩み解決をサポートします。

お問い合わせはこちら

新着記事