もう迷わない！ランディングページの作り方：効果を出す16要素を解説

1. LP制作の前に知るべき大前提 - 検索ユーザーの心理とニーズ

1-1. LP = ホームページ？ まずは定義を理解しよう

まず基本的な知識として、LP(Landing Page)とホームページ(Webサイト)の違いを理解しておきましょう。ホームページが企業やサービスの全体像を伝える複数ページで構成されるのに対し、LPは特定の目的（問い合わせ、申し込み、資料請求、商品購入など）に特化した、一般的に縦長1枚のWebページを指します。ユーザーを特定のアクションに導くことに焦点を当てているのがLPの特徴です。この記事では、この狭義のLPについて解説していきます。

1-2. 検索市場は「言葉」の市場 - ユーザーニーズに合致させる重要性

LPへの流入経路として重要なのが検索エンジンです。ユーザーはGoogleなどで具体的な「言葉（キーワード）」を入力し、自身の悩みや欲求を満たす情報を探しています。 LPが売れるかどうかの鍵は、この「検索ユーザーのニーズ（検索意図）」に、LPの内容がどれだけ的確に合致しているか、にかかっています。ユーザーが検索したキーワードの背景にある心理や目的を深く理解し、それに応えるコンテンツを用意することが不可欠です。（例：「肉 大盛り 新宿」と検索するユーザーは、今すぐお腹を満たしたいという明確なニーズを持っている）

1-3. 「今すぐ客」と「後から客」 - ターゲットに合わせたLP設計

検索ユーザーは、大きく分けて2つのタイプに分類できます。

1. 今すぐ客
2. 今すぐに問題を解決したい、商品を購入したいと考えている層。具体的な解決策やメリット、行動を促す情報を求めている。
3. 後から客（潜在顧客
4. まだ問題意識が低い、情報収集段階にある層。商品への興味・関心を引き出し、必要性を認識させる情報が必要。

LPを制作する際には、どちらのターゲットを中心に訴求するのかを明確にし、それに合わせた構成や情報提供を行う必要があります。（※本記事では、特に「今すぐ客」に効果的なLPの構成要素に焦点を当てて解説します。）

2. 【実例LPで解説】売れるLPを構成する「16の必須要素」

成果の出るLPには、顧客心理に基づいた鉄板の構成があります。ここでは、確実に反応が取れるLPに必要な16の構成要素を、実際に高い成果を上げている出張買取LPの実例を参考に解説します。これらの要素を網羅することで、初心者でも効果的なLPの骨格を作成することが可能です。

【重要】スマホ表示でチェック！ユーザー視点の確認方法

LPを閲覧するユーザーの大半はスマートフォンを利用しています。PC画面での見栄えだけでなく、必ずスマホ表示（モバイルビュー）でレイアウトや文字サイズ、ボタンの操作性などを確認しましょう。（ブラウザの開発者ツールなどを活用）

構成要素

1. キャッチコピー（ヘッドライン/ファーストビュー）
2. LPを開いて最初にユーザーの目に入る部分（ファーストビュー）は、離脱を防ぎ、興味を引きつける上で最も重要です。ターゲットの心に響くキャッチコピーを配置し、問題解決への期待感やベネフィットを簡潔に伝えましょう。数字や限定性を盛り込むのも効果的です。
3. 実例LP：「出張・持込買取可能 不要品をどこよりも！即日高価買取」
4. 特典（オファー）
5. ファーストビューに魅力的な特典（無料プレゼント、割引クーポン、限定キャンペーンなど）を提示することで、ユーザーの関心を強く引きつけ、読み進める動機を与えます。「今だけ」「限定」といった言葉で行動を促しましょう。
6. 実例LP：「高価買取キャンペーン実施中！」
7. 共感・問題提起
8. ターゲットが抱えている具体的な悩みや課題を提示し、「そうそう、これで困ってるんだ！」「私のことだ！」という共感を呼び起こします。問題を自分ごととして認識させることが目的です。
9. 実例LP：「1円でも高く買ってほしい」「不用品が多すぎて困っている」
10. 解決方法の提示
11. 提示した問題に対して、自社の商品やサービスがどのように役立つのか、具体的な解決策として明確に示します。安心感を与えることが重要です。
12. 実例LP：「なぜ高く買い取れるのか？当社は高価買取を実現しています」
13. 提供価値の羅列（ベネフィット）
14. 商品・サービスの機能や特徴（Feature）だけでなく、それを利用することで顧客が得られる具体的なメリットや価値（Benefit）を複数提示します。顧客視点での表現を心がけましょう。
15. 実例LP：「あらゆる不用品買取に対応」「整理もお任せ」
16. ターゲットの明確化（こんな人におすすめ）
17. どのような悩みやニーズを持つ人に自社のサービスが最適なのかを具体的に示すことで、ターゲットユーザーに「これは自分向けのサービスだ」と認識させ、関心を高めます。
18. 実例LP：「こんなことでお困りの方におすすめです」
19. 問い合わせ方法（CTA：Call To Action）
20. ユーザーに取ってほしい最終的な行動（問い合わせ、申し込み、資料請求など）を促すボタンやリンク（CTA）を設置します。「今すぐ客」は電話での問い合わせを好む傾向があるため、電話番号の記載は必須です。メールフォームへのリンクも用意しましょう。LP内に複数箇所（最低3回以上）CTAを配置することで、ユーザーが決断したタイミングを逃さずアクションに繋げます。
21. お客様の声・導入事例
22. 実際の利用者の声や導入事例は、社会的証明として信頼性を高める効果があります。具体的な感想、利用前後の変化、満足度などをリアルに伝えましょう。お客様の写真や手書きのメッセージなどを掲載すると、さらに効果が向上します。
23. 選ばれる理由（強み・特徴）
24. 競合他社との違いを明確にし、自社ならではの強みや選ばれるべき理由を具体的にアピールします。独自の技術、豊富な実績、手厚いサポート体制など、客観的なデータや数字を交えて説明すると説得力が増します。
25. 他社との違い（比較）
26. 機能、価格、サポート内容などを競合他社と比較し、自社の優位性を客観的に示します。（ただし、近年は他社を直接的に批判するような表現は避ける傾向にあります。自社の強みをアピールすることに重点を置きましょう。）
27. ベネフィット（再提示）
28. 顧客が得られるメリットを、別の角度や表現で再度提示します。LPの最後の部分で念を押すことで、訴求力を高めます。（例：「お得に処分するポイント」など、ユーザーにとって有益な情報として提示する）
29. 注意喚起
30. 業界特有の問題点や、悪徳業者への注意を促すことで、自社の誠実さや信頼性を間接的にアピールすることができます。
31. スタッフ紹介（プロフィール）
32. サービスを提供する担当者の顔写真やプロフィールを掲載することで、顧客は安心感を得やすくなります。経歴や資格だけでなく、「趣味」や「仕事への意気込み」、「休日の過ごし方」など、人柄が伝わる情報を加えると、親近感が湧き、信頼関係の構築に繋がります。
33. 支払い方法・キャンセルポリシー
34. 料金体系、支払い方法（クレジットカード決済、銀行振込など）、キャンセルに関する規定などを明確に記載することで、購入や申し込み前の顧客の不安を解消します。
35. 具体的なステップ・流れ
36. 問い合わせからサービス利用完了までの具体的な手順や流れをステップ形式などで分かりやすく説明します。ユーザーが利用するイメージを具体的に描けるようにすることで、行動へのハードルを下げます。
37. 限定性・緊急性
38. 「〇月〇日までのキャンペーン」「先着〇名様限定特典」「今申し込みの方限定で〇〇プレゼント」など、期間や数量を限定することで、「今すぐ行動しなければ損をする」という心理（希少性の原理）に働きかけ、最終的な決断を後押しします。

これらの16要素を、ただ羅列するのではなく、顧客の購買心理の流れ（問題認識→興味関心→比較検討→行動）に沿って、自然で説得力のあるストーリーになるように効果的に配置することが重要です。

3. LP制作の実践ステップ - 初心者でも失敗しない進め方

3-1. 競合リサーチ：要素を"拝借"するコツ

LP制作で最初にやるべきことは、競合他社のLPを徹底的にリサーチすることです。ゼロから考えるのではなく、成功しているLPの構成や表現を分析し、参考になる要素を積極的に「拝借」しましょう。 ただし、1つのサイトを丸パクリするのはNGです。複数の競合LPを比較し、良い部分（キャッチコピー、お客様の声の見せ方、CTAボタンのデザインなど）を組み合わせて自社のLPを構築していく「キメラ」方式がオススメです。 重要なのは、16の必須要素が網羅されているかどうかです。最初から完璧なクオリティを目指すのではなく、まずは必要な要素をしっかりと揃えることを意識しましょう。

3-2. 下書き（ドラフト）を作成する

いきなりLP作成ツールやデザインツール(例：Figma, Illustrator)を使い始めるのではなく、まずは紙や付箋、あるいはシンプルなテキストエディタなどを使って、LPの構成案（ワイヤーフレーム）やラフな文章（ドラフト）を作成しましょう。

• ● どの要素をどの順番で配置するか？
• ● 各セクションで何を伝えるか？
• ● キャッチコピーや見出しのアイデアは？

などを事前に整理しておくことで、制作途中での大幅な手戻りを防ぎ、効率的に作業を進めることができます。

3-3. LP作成ツールを選定する

LPを作成するためのツールは様々です。自社の目的、予算、スキルレベルに合わせて最適なツールを選択しましょう。

• ノーコードツール(例：ペライチ, Wix, STUDIO, ジンドゥー)
• HTMLやCSSといった専門知識がなくても、ドラッグ＆ドロップなどの直感的な操作でLPを作成できます。初心者や非デザイナーにおすすめですが、デザインの自由度や機能に制限がある場合があります。
• CMS(例：WordPress)
• デザインや機能のカスタマイズ性が高く、ブログ機能やSEO対策のプラグインなども豊富です。中長期的なWebサイト運用には最適ですが、初期設定や運用にはある程度の知識やスキルが必要です。
• LP制作に特化した有料ツール
• ABテスト機能やアクセス解析機能などが充実しており、本格的なLPO(Landing Page Optimization)を実施したい企業向けです。月額費用が発生します。

3-4. 制作会社やフリーランスへの依頼も検討

自社での制作が難しい場合や、より高品質なLP、専門的なデザインやコピーライティングを求める場合は、Web制作会社やフリーランスのWebデザイナー、コピーライターへの外注も有効な選択肢です。

• ● 制作実績（ポートフォリオ）
• ● 得意な業種や分野
• ● コミュニケーション体制（担当者との相性、連絡の頻度など）
• ● 料金プランと見積もり内容
• ● 納品形式や修正回数の制限

などをしっかりとチェックしましょう。発注前に複数社から見積もりを取り、比較検討するのがオススメです。ヒアリングシートなどを活用し、自社の要望やLPの目的を正確に伝えることが重要です。

4. 【売上爆増の秘訣】LP効果を最大化する「横展開」戦略

1つの効果的なLPを作成できたら、次のステップとして、それを「横展開」することで、集客力と売上をさらに爆増させることができます。

4-1. なぜ「複数のLP」が必要なのか？ - ニーズのズレをなくす

顧客は、同じ商品やサービスを求めていても、検索するキーワードや抱える悩みの角度が微妙に異なります。 例えば、「出張買取」と検索するユーザーと、「家具 買取」と検索するユーザーでは、求めている情報や重視するポイントが違う可能性があります。 キーワードごとに最適化されたLPを複数用意することで、それぞれの顧客ニーズとの「ズレ」をなくし、コンバージョン率を最大化することができます。

4-2. 効率的なLP量産のコツ：基本LPをベースに「ちょこっと変える」

ゼロから複数のLPを作成するのは大変な作業です。そこで有効なのが、「基本となるLP（基盤LP）」を1つ作成し、それをターゲットキーワードごとに「ちょこっと」修正して量産していく方法です。

• ● タイトル、見出し、キャッチコピー: キーワードを含め、ターゲットに合わせた訴求に変更。
• ● メイン画像（ファーストビューの画像）: キーワードに関連する画像に変更。
• ● 本文の一部: キーワードに関連する情報を追加・修正。
• ● お客様の声・実績: キーワードに関連する事例を中心に掲載。

LPの基本構成やデザイン、CTAボタンなどは流用することで、効率的に複数のLPを展開できます。

4-3. 横展開の具体例：キーワードごとにLPを最適化

例えば、「出張買取LP」を基本として、

• ● 家具買取 LP
• ● 家電買取 LP
• ● 冷蔵庫買取 LP
• ● 食器買取 LP
• ● ブランド品買取 LP

…といった形で、具体的な品目やサービス内容に合わせたLPを展開していきます。それぞれのLPで、ターゲットとなるキーワードを意識したコンテンツの最適化を行います。これにより、各キーワードでの検索順位向上とコンバージョン率向上が期待できます。

4-4. 【応用】自社でできないサービスもLP化？アライアンス戦略

さらに応用的な戦略として、自社では提供していないサービスに関するキーワードでもLPを作成し、集客するという方法があります。

• 事例
• エアコンクリーニング業者が、「エアコン修理」「エアコン取り付け」のLPを作成する。 これらのキーワードで集客したユーザー（リード）を、提携している修理業者や取り付け業者（アライアンスパートナー）に紹介します。
• メリット
• ● 紹介料という新たな収益源を確保できる。
• ● パートナーから自社の案件を紹介してもらえる可能性がある。
• ● 自社の集客力を活用し、ビジネスの可能性を広げることができる。

この戦略は、自社のリソースに制限がある中小企業や個人事業主にとって、非常に有効な手段となり得ます。

5. まとめ：16の要素と横展開戦略で、売れるLPを量産しよう！

売れるLPの作り方は、決して魔法ではありません。重要なのは、顧客のニーズを的確に捉え、必要な情報を過不足なく、分かりやすく伝えることです。 本記事では、そのための鍵となる16の構成要素と、LPの効果を最大化するための「横展開」戦略を解説しました。

1. ● 検索ユーザーのニーズを理解する（今すぐ客 or 後から客）
2. ● 売れるLPに必要な16の構成要素を網羅する
3. ● 競合リサーチを活用し、効率的にLPを作成する
4. ● キーワードごとにLPを最適化し、 横展開 する

これらのステップを実践すれば、あなたも初心者であっても、着実に成果の出るLPを制作・運用できるようになります。 LPは一度作ったら終わりではありません。公開後もGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールでデータを分析し、ABテストなどを実施して改善を繰り返すこと（LPO: Landing Page Optimization）が重要です。 ぜひ、この記事を参考に、自社のLP制作・改善に取り組んでみてください。売れるLPを量産し、ビジネスの成功を掴みましょう！