愛知県豊川市で明治18年から続く海苔問屋「山ヨ榊原商店」。2021年に新商品の開発とネット販売への本格参入を行いました。山ヨ榊原商店は愛知県の三河・知多の海苔を中心に、良質な海苔を仕入れて全国の飲食店や小売店などに卸販売しています。また自店舗では食卓用の海苔やお中元・お歳暮のギフト用の海苔を販売し、多くの地元の人からリピートされています。愛され続ける理由は、一貫した信念にあります。一部の人しか買えないような高額すぎる海苔ではなく、安売りの量産海苔でもない。プロが厳選した本当に美味しい海苔を、適正な価格でお客様に届ける。この信念は曲げず、味・品質にとことんこだわり抜いた新商品の開発、多くの方に本当に美味しい海苔を届けるためのネット販売、激動の時代にふたつのチャレンジをスタートしました。
会社の姿勢と商品へのこだわりにフォーカスしたブランディング
漁港からの仕入れ、乾燥・焼き入れの加工、全国への販売まで一貫して社内で行う山ヨ榊原商店。安心・安全な商品を届けるために、身丈以上の生産拡大・販路拡大を行わない姿勢を知るために、会社の隅々まで取材させていただきました。さらに愛知県常滑市にある鬼崎漁協を訪問し、海苔漁師の現場、収穫した海苔の加工・品質管理の現場も取材しました。山ヨ榊原商店の姿勢は海苔をつくる漁師から、品質を管理する漁協、海苔を食べるお客様までその全ての想いを大切にしているからこそ培われたものです。山ヨ榊原商店のブランドを守っていくために、言葉とビジュアルでカタチにしました。- こだわりや想いを取材したパンフレットの制作
- 漁の現場からお客様に届くまで、すべてを込めたブランドサイトの企画制作
- VI、CIの整理
かんずりとのコラボ商品開発
以前、山ヨ榊原商店はあの無印良品が発行する本「産地に教わる」で鬼崎の海苔に関して取材を受けました。このご縁がきっかけで新潟県のかんずりと出会い、コラボ商品「かんずりのり」の開発がスタートしました。かんずりを海苔にバランスよくつけるために試行錯誤を繰り返し、約1年をかけて美味しいかんずりのりが完成しました。また海苔のパッケージの主流はプラボトルの容器。原価高騰・脱プラが謳われる時勢に、新たなパッケージ開発にも取り組みました。菓子やお茶やサプリで利用されるアルミパウチに注目し、できるだけコストを抑えながら使いやすく保存しやすいパッケージが仕上がりました。- パッケージデザインの開発
- 商品の魅力を明文化→販促ツールに展開
混焼のりのリブランディング
山ヨ榊原商店の人気商品「混焼のり」は幻の海苔といわれ、「黒のり」に天然の「青のり」が付着して混のりとして採取できるのは、愛知県西三河地区の三河湾でしかありません。採取できる期間も短く、毎年12月初旬から下旬までの、わずか3週間ほど。愛知県で採取されるのり全体数量の0.4%未満しかありません。希少価値の高い混のりの中でも、さらに初摘みのりにこだわり、熟練の職人が丹精込めて焼き上げた「混焼のり」。この商品の魅力をお客様に伝えるために、パッケージ・販促ツールに展開しました。- パッケージデザインの開発
- 商品の魅力を明文化→販促ツールに展開
現在の課題と取り組み
ブランドサイトとECサイトが完成し、ネット販売も好調に伸びています。より効果的にブランド発信を行なっていくためにSNSやメディアの活用が今後の課題です。 社内体制のサポート、スタッフのスキルアップを目指して取り組んでいます。また新たな商品開発の企画もサポートも進めています。その他の実績はこちら